1.多くの自治体が実施した「分譲マンション管理実態調査報告」を、給排水設備の
実態と管理組合の問題認識という視点から捉える時、次の事実が指摘される。
① マンションの老朽化問題として取上げられている 築後30年超の棟数比率は、千葉県
58%・船橋・市川・習志野各市で49~38%を占める。 また市川市では、市人口の3割
近くが居住している。 これらの絶対数値と比率は、年数経過とともに確実に増加する。
あげられており、高経年マンションほど率が高い。
③ 大規模修繕が必要な設備として、80%以上が給排水管をあげている。
④ これら設備の大規模修繕工事実施状況を見る時、築後25年超では12%しか実施
されていない。 因みに 弊社が施工関与したマンションの施工時平均築後年数は、 給水管25年・排水管30年となっている。
⑤ 大規模修繕実施へ向けた課題として、組合による問題意識の共有が60%、専門知
識が無い事が98%となっている。
2.上記1の状況を分析し、「給排水設備の実態と管理組合の課題」として、
次の2点に集約し、提言の主旨とした。
① 深刻化するマンション老朽化問題の中、給排水設備劣化による使用障害や漏水事故
の発生は、インフラ設備として日常生活に直接影響ををもたらす。 また発生する
件数も膨大なものとなり、社会的に深刻な問題となることが、充分に予測される。
② 居住者と管理組合は、劣化が原因の事故発生で問題を認識するものの、大規模修繕
による解決への手順が判らず、この問題に特化した支援策の提供が求められている。
なお いくつかの行政機関ではこれらの事実を承知しており、この問題を行政
の課題として認識し、施策の検討を行なう動きがある。
3.提言に基づく問題解決策として、次の行動計画を提案したい。
① セミナー・相談会開催による、管理組合への啓発と支援活動。
② 長期修繕計画と修繕積立金の見直し提案。
(設備設計図・現場確認・アンケート・劣化調査により劣化状況を確認して、
施工時期・工事費を策定。 現行計画と突合。)